よど号LIFE 2020年7月号

「なるほど」

小西隆裕 2020年7月20日

世界的なコロナ感染者増加に歯止めがかからない。

だが、その一方、死者の数は少し減ってきているようだ。

それについて、イタリア医師団で数多くのコロナ感染者を診てきた歴戦の団長が言っていたそうだ。「最近のコロナウイルスは、虎から山猫になったようだ」と。

この話を朝鮮の医師の人に話した時の返事がふるっていた。

「それは、夏になったからではないか」。

一般的にウイルスは熱に弱い。

反対に人間の免疫力は、体が温まると強くなる。

ということだった。

なるほど、それは一理ある。

だとすると、冬になる前にコロナ撲滅を!

ではないのか。

なのに、「GO・TOキャンペーン」はないのではないか。

既婚女性の美しい武器、朝鮮のスマホ魔力

若林盛亮 2020年7月20日

久しぶりに病院に行くとなじみの看護婦さんの顔があった。この方は子持ちの既婚女性で、コロナ禍防止策の一環として六月初旬までは小学校以下の幼児、児童たちが自宅待機となったため、休暇を与えられて子供の世話をしていた人。

「やあ久しぶりやね?」と挨拶を交わした後、「子供がいてはったんですね」と言うと、「勉強しなくて困ったんよ」などとこぼしながら、「子供の写真見てみる?」とスマホの何枚かの写真を見せてくれた。たしかにやんちゃそうな小学低学年の男の子、「お母さん似でかわいい子やないですか」と半分お世辞もまじえてほめた。

するとその看護婦さん、「私の若いころの写真も見てみる?」とまたスマホ画面を動かした。出てきたのは細っそりした女学生のような美人! 「え?っこれが貴女・・・看護婦さん!?」、私は少し驚いた。いまの彼女は、目はパッチリのかわいい方だがいかんせん、いまは一児の母、ぽっちゃり太目の顔と体型、失礼だが画面の女性の面影はない。

「若いときは美人やったからモテたでしょう」、これはお世辞じゃなく本気で言った。

答えは「まあまあね」、でも顔は「そりゃまあ?」と得意げ。

あとでこの話を同僚の男の医師に話した。すると「あれは自分で加工した顔、だまされたらあかんよ」と笑われた。

このことを後にその看護婦さんに確かめたら、答えは「まあそういうこと、スマホで細くも白くも加工できるのよ」と「あっはっは」と笑った。

おそらく他の既婚女性たちもこの手で「私も若いころはきれいだったのよ」と男たちの間に幻想をばらまいているのだろう。

既婚女性にとって、朝鮮のスマホは「若いころのきれいな私」を映し出す魔法の鏡、自分の青春時代を華やかに演出する貴重な小道具、「へえ?っ」と男たちを驚嘆させる魔力を生む必須アイテムなのかもしれない。

ぽっちゃり看護婦さん、この一児の母のかわいげな悪戯(いたずら)心がとても微笑ましく思えた。これを自分でも見ながら「花の青春時代」を自作自演の劇として美しくドラマチックに彼女たちは懐古するのだろう。

大雨

赤木志郎 2020年7月20日

毎日朝晩、TVとラジオで日本のニュースに接している。

日本で「これまでにない大雨が降る、避難せよ」という警報が発せられたとき、最初、ちょっと大げさではないかと思った。しかし、そうではなかった。TVを見ていると土砂崩れで家々が呑み込まれ、河が黄色い水で溢れている。熊本では球磨川が氾濫し、多くの死者を出した。とくに特別養護老人ホーム「千寿園」で14名もが犠牲になった。身動きできない老人たちが濁流のなかで死んでいった。福岡、長野でも被害が出ている。しかも、その後も雨はやまない。結局、70名以上の人が犠牲になった。

大雨で大きな被害を蒙っているという話を病院でしたら、コロナ、地震、津波、台風、大雨と日本は安全でないのではと言われた。たしかに災害が多い。近年、とくそうだ。

その原因は地球の温暖化のために気候変動が激しくなっているからだという。長雨も海面温度が高くなった影響だそうだ。線上降水帯という言葉も初めて知った。しかし、これまで幾多の自然災害を越えてきたのが日本人だ。問題は災害に備え万全の対策を講じることだと思う。にもかかわらず、球磨川の氾濫も危険性が指摘されていたにもかかわらず何もおこなわれず、起こるべく起こった災害だった。

 災害を予見し被害を防ぐのは政治の基本だといえる。感染症対策とどうように国の予防措置がなされずにきたツケではないだろうか。

 「今すぐ少しでも高い所へ避難してください」という悲痛な呼びかけを聞くと、なぜ事前に対処できなかったのかと思う。

あの玖珠川が、あの江の川が

魚本公博 2020年7月20日

日本を襲った大水害。九州南部から北部にも拡大し.故郷・大分県にも及び、玖珠(くす)市に警戒警報が発令されたなどのニュースに接した時は俄然心配が募りました。玖珠市、そんな市があるとは初耳ですが平成の大合併で玖珠町、天瀬町、森町などが合併した市なのでしょうか。筑後川の上流で玖珠川と呼ばれている辺り、筑後川と由布川(大分川)を隔てる水分峠があって、中学、高校のバス旅行で何回も通った所。

7月14日には、江の川(ごうのかわ)の上流、広島県三次市辺りの堤防が決壊したとの知らせ。江の川は大学1年の夏休みに大阪から自転車で大分(別府)まで山陰(国道9号線)を通って帰ったので知っています。私が見たのは江津あたりの河口部ですが、切り立った川の崖の竹林に夕日が映えた光景を思い出します。

あの玖珠川が、あの江の川がと、やはり知ってるところの災害はいっそう心配がつのるものです。多くの亡くなられた方々にお悔やみ申し上げると共に一日も早い復興を願っています。

一体、何のため?

森順子 2020年7月20日

今月に入って急に感染者が増えている日本、そして、また、熊本の災害。毎日の報道を聞くたびに不安な気持ちが増していくように感じます。

今回のYoboyodoツイートでは、朝鮮のコロナ状況はどうですかという質問が数件きました。朝鮮は感染者がいないことがやはり信じられないのか不思議なのか、状況が知りたいようです。それで朝鮮では早くに国境を封鎖し各地域、機関や単位までコロナ対策は徹底され国民にも浸透されています。それに、自国と人々の生命を守り一人の犠牲も出さないという判断と対策ですから、国民もそれを理解しているのがよくわかりますというような返事をしました。

日本では、やっと野球も開幕して観客も入り、わたし的にもうれしいことですが、日に日に感染者が増えていっているにも関わらず、症状は軽く夜の街付近だからとか言って安心感を抱かせるような報道が主です。これはコロナへの警戒感を麻痺させ「ウイズコロナ」の「新しい日常」に慣れさせるということですね。一体、何のためなのでしょうか。

コロナ2波が襲ってこないことを祈っています。

「マスク」

小西隆裕 2020年7月5日

「コロナ」のため、外国人は隔離ということで、日本人村に「巣ごもり」してから2ヶ月近く、ようやく隔離解除ということでピョンヤン市内へ行けるようになって3ヶ月余り経った。

しかし、行く時は必ずマスク着用だ。マスクなしには、市場にも食堂にもどこにも行けない。入れてくれないのだ。

ところが、それをすぐ忘れる。

幸い、私には、皆がいる。それで出発時、車に乗る際、注意を受ける。何度マスクを付けに家に引き返したことか。

ピョンヤンに出てからがまた大変だ。市場などで、販売のおばさんなどと話している時だ。ついついマスクを下げてしまう。何のためにマスクをしているのか。

われながら、苦笑い。おばさんも笑っている。

しかしそれにしても、今日は7月1日。真夏日、気温は30度。

街行く人の波、市場や百貨店の混み具合は例年と変わらない。

変わったのは、この暑い中、マスクをしていない人が一人もいないことだ。

リヴァプール悲願の優勝!?高らかに歌え“You’ll never walk alone”

若林盛亮 2020年7月5日

この欄で何度も書いているように私は長年のリヴァプール・サポーター、筋金入りを自称している。

先日、私のサッカー師匠から「リヴァプール、英プレミア・リーグ優勝確定」の朗報がメールで届けられた。ついに来た、待ちに待った悲願達成の瞬間!

コロナ禍で長い中断期間、一説には英プレミア・リーグは中止、目前に迫っていたリヴァプールのリーグ優勝は見送られるということまであったから気が気でなかっただけにまさに歓喜、天をつく勢い。

かつてはトップ4、いまはトップ6といわれ130年の歴史を誇る強豪チームだが英プロ・リーグ創設以来の優勝回数はマンチェスター・ユナイテッドと肩を並べる首位だが、1990年から実に30年間、優勝からは見放されてきた。

昨季は最後の最後までもつれ込みながら勝ち点「1」の僅差で涙を呑んでマンチェスター・シティに栄冠を譲らざるをえなかった。一シーズンで積み上げた勝ち点「97」という数字は例年なら優勝しても余りある偉大な数字だった。だが敵はさらにその上を行った。

私が今も残念無念、遺憾限りなしと想起するのは、2013-14年シーズンの事件。この試合に勝てば優勝確定という対チェルシー戦で、私が限りなく敬愛するキャプテン・ジェラードが芝に足を滑らせ相手フォワードの独走を許しゴールを決められ、後一歩のところで優勝を逃した有名な「スリップ事故」。リヴァプール一筋を貫いてきたジェラードだけに、これは長い間、彼のトラウマになった。いまは現役引退後、スコットランドで監督をやっている彼が、優勝確定の朗報を聞いて「パーティを開こう」とツイッターでファンに呼びかけたそうだ、やっとトラウマから解放されたのだろう。

昨季はUEFA-CL(欧州チャンピオンズ・リーグ)優勝を果たしたが今季のリヴァプールはもっと凄い、第27節までは無敗を記録、惜しくも1敗したがいまや「世界最強」といわれる超攻撃型チームに育て上げたのはドイツ、ドルトムンドで香川君の師でもあった名将ユルゲン・クロップ監督。その名将でも監督就任後、4年の歳月を費やした。

30年目にしてついに手にした“夢”、英プレミア・リーグ優勝! 

それまでの道程がどれほど厳しく困難だったか、でも最後まで夢を追い続けたチームの歴代選手、監督、サポーターたちの想いはいかほどか、そして私の感慨を言葉にはできないので、KOPと称されるサポーターたちがホーム・スタジアム、アンフィールド競技場を揺るがす有名なリヴァプール応援歌“You’ll never walk alone”の歌詞を記しておきたい。

嵐をついて君が歩くとき 上げよ頭(こうべ)を高く そして恐れるな暗闇を

嵐がやめば そこには黄金色に輝く大空が広がり そして甘美に冴え響く雲雀(ひばり)のさえずりが聞こえるだろう

歩け風をついて 雨をついて歩くのだ 

たとえ君の夢叶わず風に吹き飛ばされようと

歩け 歩き続けるのだ 希望を君の心にかたく抱き

そして決して君を独りで歩かせたりはしない

君は独りじゃない!

6月23日に沖縄を想う

赤木志郎 2020年7月5日

この日は沖縄戦終了の日だ。「慰霊の日」として今年も催しが行われた。75年も経つ。今年、BS放送で戦闘行為を拒否し負傷兵を救うことに専念する兵士を描いた米映画を見たことがある。この映画で目を奪われたのは、その舞台であった沖縄戦で犠牲になる日本兵の姿だった。本土進撃を遅らせるための壮絶な戦闘を繰り広げた。それは貧相な武装でただ突撃を繰り返し、死んでいく戦いだった。

県民は米軍の砲撃と地上からの攻撃に逃げまどい、女生徒や子供が動員され、最後には自決を強要されたりし、亡くなっていった。日本兵9万余、沖縄県民9万4千人が犠牲になったという。考えるだけでも胸が重くなる。沖縄戦の実相を描いた日本映画はあまりないのではないかと思う。吉永小百合主演のひめゆり部隊についての映画くらいしか私には思い浮かばない。三浦友和出演の「大日本帝国」は太平洋戦争の表面をなぞらえただけで沖縄戦はまったくなかった。だから、米映画に出てくる沖縄戦の描写に驚いたのだと思う。

かつての沖縄戦が多くの人々が犠牲になったというだけでなく、沖縄占領以降75年間、米軍基地としてあり、沖縄県民が生命と暮らしを脅かされてきた「戦争状態」が続いている。沖縄戦が本土防衛のための捨て石にされたのと同じように、戦後も本土の「平和と繁栄」のために犠牲にされてきたと思う。

アジア太平洋戦争はアジア支配を争う覇権のための戦争だった。沖縄戦を見ても、そこでは自国兵士や国民をいくらでも犠牲にして構わないという考え方ではなかったか。それはアジア諸国の人々を虐殺していったのと同じ考え方だといえる。

沖縄戦の実相が描かれないのはアジア太平洋戦争についての総括が深められていないからではないだろうか。

麒麟は来るのか

魚本公博 2020年7月5日

大河ドラマの「麒麟がくる」。コロナ禍のために撮影できず、ストック分も底をつき中断。「麒麟がくるまでお待ちください」として過去のドラマを取り上げ、出演者などがリモート出演するという苦肉の策。すでに撮影を始めているそうですが、最近の東京での感染増加を見れば又、撮影中止に追い込まれるのではないかと危惧します。

小池知事のコロナ対策は、「3密」、「ステイ・ホーム」、「ウィズコロナ」と言葉だけで「本気度が感じられない「やったふり」。結局、都民の「命と暮らし」よりも経済優先です。

乱世の時代、これを鎮める聖獣・麒麟が現れるという「麒麟がくる」。誰もが「命と暮らし」を守る麒麟の出現を待ち望んでいるのではないでしょうか。

そういう中での都知事選。コロナ禍で失業し住居を追い出され、ネットカフェでの寝泊まりもできなくなってホームレスになる人々。収入激減で絶望のどん底に追いつめられた個人事業主、フリーランス、中小零細企業主。学費を払えず退学を余儀なくされる学生たち・・・。そうした人々への大胆な補償策を打ち出す山本太郎さんは、「あなたが人生を諦める必要のない東京を日本を私と一緒に作って欲しい」と。そこに希望を見いだし「古い政治を変えてくれるのは太郎しかいない」と言う熱烈な支援者・支持者。今、求められている「麒麟」とは、そういう政治家、そういう人々ではないかとの思いを強くします。

「麒麟は来るのか?」、「来る」。是非そうなってほしいと思う都知事選投票日の今日です。

鈴なりですよー

若林佐喜子 2020年7月5日

週一の買い物日に必ず寄る店の一つがピョンヤン商店。その庭に植えられた杏の木に実がたわわに、ほんと鈴なりなのです。思わず見とれてしまい、鈴なりとはよく言ったものだと妙に感心してしまいました。

さて、よど農場の近況ですが、先日、初きゅうりを収穫。みなの反応は、「まるかじりが美味しい」「のりを巻いてたべると美味しい」「やわらかくて美味しい」などです。やわらかくて・・というのは、なんかシニアぽくないですか? これまであまり意識していなかったのですがどうなんでしょう。

これ以外に、なす、つるインゲン、とうもろこし、スイカなどがすくすく育っています。すでに、トマトはたくさん実がつき、ミニトマト(朝鮮ではヨンヤン(栄養)トマト)は、これも鈴なりです。

私は、ベランダでトマトを育て、毎日水遣り、ときどき米のとぎ汁もやったりしていますが、実は数個のみ。どうも鈴なりの秘訣は、栄養・肥料をしっかり与え、消毒、余分な芽のつみとりなど適切な手入れが必要なようです。

例年なら、今頃は、代表団をお迎えして、よど農場を案内したり、銀杏の木の下の石テーブルで収穫物の野菜や果物を、「新鮮で美味しいでしょう」なんて、押し売りしているのですが‥。それもかなわず。やはり、人は張り合いと緊張感が必要なのではと、代表団の方々を懐かしく思い出しています。

コロナ禍、収束にはまだまだ時間がかかりそうです。日本のニュースを目にしながら、経済効率第一でなく、もっと人の命と暮らしに栄養、補給が必要ではないのですかと怒ったり、心配したりの今日この頃です。