テレビがおもしろい

若林佐喜子

日常の私たちの会話と言えば、週一回の買い物での出来事や、日本のテレビ、新聞の話です。

そんな中で、最近、食事をしながら朝鮮のテレビの話になることが結構あります。すると、Kさんが、そう言えば、日本の報道番組である解説者が「朝鮮のテレビがおもしろい」と、言っていたというのです。制裁を受けているのに、活気に満ちているという脈絡での話だそうですが。

確かに、そうなんです。これまで、私が見るのは、夜の8時のニュースと天気予報、日曜日の「国際たより」だったのですが、昨年末頃に偶然みた「自分のものを愛し、貴重にしよう」というシリーズ番組。

一昨年に建設された鞄工場の若い女性支配人、「初めはこれが製品かというぐらいひどいものでした」と。何度も試行錯誤をかさねてやっと立派なものが作れるようになったそうです。ちょっとぶっきらぼうな感じなのですが、とてもパワフルです。図案技師も若い女性で、「好評を得られた時が本当に嬉しい」としっかりしています。

また、昨年に営業始めた黎明通りのグリーン建築・建材ショップでは、企業や個人の相談に丁寧に応対する様子。塗料らしき容器を手にしながら、とても使いやすいとちょっとたどたどしく語る客たち。色もデザインも多様で包装にも工夫をこらした新しい製品、靴や鞄がずらーっと陳列され、客は自分の好みや用途に合わせて購入できる目の前の現実。それを語る登場人物が本人、主人公たちなのですから、説得力がありより伝わってくるものも強烈です。

だから私が「おもしろく」感じるのかも知れません。