私と朝鮮の、観賞魚事情

魚本公博

先に写真ギャラリーの「私のお薦め品」で観賞魚を紹介。「お勧めって、誰に」、となると日本の旅行者に土産にということで、そこで観賞魚を勧めても仕方ないわけですが、そこはマア、朝鮮観光の一つとしてという位の意味で受け取ってくだされば。

朝鮮は観賞魚飼いが盛んです。テレビでも「文化的な生活」紹介ということで、「○○通りに住む□□さんが近所で評判だと聞き訪れました」みたいな形で、しばしば放送されます(一種の奨励ですね)。

市内には金魚や熱帯魚の販売店があちこちにあります。市内中心部で私が知っている店だけでも5店。大体「クム・ブンオ(金魚)」という看板になっています。

他に、キオスクのような簡易売店がモランボン公園に数店あり、「市場」の周辺に出店しているものもあります。また路地裏で自分が繁殖させた魚を売る老人の姿も見かけます。今は、週一回の買い物の日に、市内の市場に出かけるだけなので、市場前の簡易販売店が馴染みの店です。

販売員のおばさんとも顔なじみ。市場に行く毎に、何かめずらしいものはないか見ながら挨拶。おとくいですから、時には、ハラボジにはまけてあげると言われることも。

実は私は、観賞魚の中でも熱帯魚に興味が。
大学時代、下宿で一緒だった先輩が、どこからか水槽を貰って来て熱帯魚を買い始めたのですが、それが羨ましくて。でも当時は、水槽も高価でとても手が出ない。その夢が朝鮮でかなったというわけです。

朝鮮では、熱帯魚も呼称は「主体」的に朝鮮語で。グッピーは孔雀魚(コンジャクオ)、エンゼルフィッシュは天使魚(チョンサオ)、ソードテールは剣魚(コモ)、真珠模様のある小型のアロワナは真珠魚(チンジュオ)。日本でどう呼ぶのか知りませんが、チマコギ(スカート魚)、チョンソオ(掃除魚)などというのもあります。

どうしても手に入らないのがネオンテトラ。大学の先輩が飼っていた、あの青いネオンのような輝きが記憶に鮮明で、欲しいのですが、見かけません。

金魚も中々なものです。よく知りませんが出目金、ランチョウ、ブンキン様のものが様々に出回っています。中には中央動物園の水族館で見た、外国からの「贈り物」を繁殖させたのではないかと思われるような豪華な金魚もあります。

値段? 安いです。普通の金魚なら日本円で30円。天使魚も同程度。値の張るものでも100円ほどで、「豪華な金魚」も500円程度。

「私のお薦め品」では金魚が写っていましたが、金魚は強くて、他と混住させても、動きは鈍いくせに、動じることなく、おっとりとしており、その、とぼけた動作、表情には、「この野郎」という感じで癒されます。では今日は、この辺りで。朝鮮の観賞魚事情、知りたいことあれば、お聞き下さい。