ユスラウメの葡萄酒

魚本公博

今年は朝鮮でも例年になく温かく果物がよく実っています。それで恒例のアンズの梅干し。そしてユスラウメの葡萄酒。

ユスラウメの葡萄酒? 変な言い方ですが、アンズの梅干しと同じで、ユスラウメを使って葡萄酒のように発酵させて作るので、私が名付けたもの。

ユスラウメは日本でも庭木として植えられており、ご存じの方も多いと思いますが、朝鮮ではことの外多く、庭木だけでなく山野にも自生しています。

ユスラウメは、他と比べても早く花を咲かせます。それで寒さがぶり返したりすると花がしおれたりして、年ごとに実のつきかたにむらがあるのですが、春から温暖な日が続いた今年は大豊作。

枝が垂れ下がるほどにびっしりと実をつけました。これを採取してバケツに入れて砕き砂糖を加えて5日もすれば発酵。かくて、葡萄酒様のものができます。

このやり方は、母親がブドウを砕いて一升瓶に詰め氷砂糖を加えて作っていたのを思い出して始めたもの。私にとって「お袋の味」。子供の私が好きだったのは、あまり発酵が進まず出来損ないのようになったもの。これだと100%果汁のようになって美味なのです。

とくにユスラウメの場合、本当の葡萄酒のようには行きませんから、その方が美味い。豊作の今年はバケツに2杯ほどできました。日本でもユスラウメの多い地方の方、ユスラウメ葡萄酒を作ってみては如何でしょう。