日本サッカーの未来は明るい!-U22代表、ブラジル相手にPK戦惜敗で準優勝

若林盛亮

毎度毎度、サッカーのお話で恐縮だが、興味のない方も読んでいただきたいと思う。日本の若い世代に希望を見るお話だから・・・。

U20(20歳以下)W杯の準決勝で韓国に惜敗の日本男子サッカーだが、同時期にフランスのツーロンで開催されたU22(22歳以下)国際大会ではブラジルとの決勝戦で1:1の引き分け、PK戦で惜しくも優勝を逃した。男子サッカー史上初の「世界での準優勝」も快挙だが、PK戦にもつれ込む展開で「サッカー王国」ブラジルをあわてさせた闘いぶりは、日本サッカー史に残る歴史的快挙だと私は思う。

正直言って、個々の選手の技量はブラジルが数段上手だ。この大会でブラジルは15得点を上げ、しかも無失点で決勝まで勝ち上がって来た「向かうところ敵なし」のチームだった。そのブラジルから1点をもぎ取っただけでも快挙だが、押され気味の試合展開にも臆せず、どっしり構えて機を見てボール奪取、機敏にパスをつないで攻撃の形を作るという「自分の形」はつくっていた。攻めるときは果敢に攻めあがり、攻撃の「自分の時間帯」もつくった。後一歩、相手の堅固な守備を崩すには至らなかったが、ゴール前に切れ込む突破企図は何度も試みた。少なくともゴール前でただパスをつなぐ「為す術なし」というこれまでの日本サッカーではなかった。

そしてうれしかったのは、私のお気に入り、ジュビロ磐田の小川航基君が相手ディフェンスのクリアミスした難しい浮き球を一撃シュートでゴールにたたき込んだ「超お宝」の1点だ。ほとんど唯一といってよい決定的な得点チャンスをものにした決定力はとてもよい。サッカーは「ゴールを入れる」競技、「王国」ブラジルに気後れせず「ゴールにゼッタイ入れてやる」入魂のシュートだ。

同時刻放映のU20W杯決勝戦でウクライナが韓国を3:1で破り優勝した試合を録画で見たが、もし日本代表U20の若きサムライたちが痛恨のミス1発で韓国に敗れていなかったら、U20優勝はほぼ間違いなかったと思う。

前にも書いたが、「2000年世代は79年生まれの黄金世代を越えるかもしれない」と評した西野朗・日本サッカー協会、前技術委員長の言葉を私は、U20、U22の試合を見て信じるようになった。

世界の強豪にも気後れせず、攻撃サッカーを全員が共有、実現できるこの世代は、「準優勝の快挙」や「準々決勝に進んだ成功」に満足するどころか悔しさをバネに「さらに上を目指す」まだまだ伸びしろいっぱいの世代だ。

たくましく育て! 21世紀の日本サッカー「黄金世代」! ゼッタイ!!