よど号赤軍が北朝鮮に入国する際、韓国を経由した理由について

突然ながらすみません。24.8歳のMと申します。より良き社会創生のために力を尽くした新左翼運動に関心を持ち、個人的に調べている者です。

質問いたしたいことは多々あるのですが、此処では要点を絞って質問致したいと思います。皆様方は1970年当時、何故韓国経由で北朝鮮に入国したのですか?韓国は反共を国是としていたために韓国経由で北朝鮮に入国するのはリスクが大きかったはずです。

それよりは同じ共産国圏であるソ連、もしくは中国を経由して北朝鮮に入国した方がリスクは少なかったのではないでしょうか?

何故、皆様方が韓国経由で北朝鮮に入国したのかあくまで推論にすぎませんが

私には「韓国と北朝鮮は同一国であったのだよ。」というメッセージも込められているように感じるのです。

『イムジン河』という曲に「誰が祖国を二つに分けてしまったの?」という痛切な一節がありますが韓国と北朝鮮両国はブルジョア国家であるアメリカと、社会主義の名の下に、悪事の限りを尽くし、社会主義を汚したソ連により分断されてしまいました。

米ソ、両国への非難も込めていたからこそ敢えて皆様方は韓国経由で北朝鮮に入国したのではないかと邪推かもしれませんが思えるのです。

元赤軍派議長塩見孝也氏がおっしゃっていたようにキューバこそが平等で皆が幸せに暮らしている国家であるはずです。

無論、新左翼運動の陰徳により現在の日本も表面上はある程度平和で平等が保たれています。その一翼を担ったのが赤軍派の功績であることは重々承知しています。

長くなりましたが「何故、北朝鮮に入国する際、ソ連、若しくは中国でなく反共の韓国を経由したのか」教えて頂けますと幸いです。

赤木志郎がお答えします

韓国を経由する計画はありませんでした。Mさんが指摘されるように、当時、韓国は朴正煕軍事独裁政権で反共を国是とし朝鮮とは敵対していましたから。はからずも韓国に寄ったのは、金浦空港から「こちらピョンヤン」という信号が幾度も出され、「よど号」機が韓国・金浦空港に誘導されたからです。計画的な誘導であったのは、金浦空港で「歓迎隊」が待っていたこと、石田機長も「はやく降りたら」と促していたことなどでも明らかだと思います。

ではだれが誘導したのかという問題があります。それはズバリ、アメリカだと思います。福岡空港の離着陸も金浦空港も米軍が管轄しています。福岡空港で数時間、滞在し、急に飛び立つようになったのは、私たちの督促というよりも、金浦空港での偽装準備が終わったからだと思います。

私たちがなぜ偽装を見破ったのかということ言いますと、欧米の石油会社の看板があり、上からみた田園のあぜのつくりが日本そっくりで、社会主義国の協同農場にはとても見えなかったこと、「歓迎する」ってほんと? などのいろんな疑問があったうえに、近くにいた兵士に「HERE SOUL?」と訪ねたら、「YES」という答えがあったこと、そして決定的には、金日成首相の肖像画をもってこいという要求にたいし、数時間経後「ここはソウルだ。投降せよ」と脅してきました。

以上、疑問にお答えできたでしょうか。