宗像神社

魚本公博

前回は天皇ご夫妻が私的旅行で埼玉県にある高麗王・若光を祀る高麗神社を訪れたことを書いたのですが、この10月、ご夫妻は熊本・大分地震の被害者地を訪れた際、宗像神社にも立ち寄られました。

宗像神社は、「『神やどる島』宗像・沖ノ島と関連遺跡群」として今年7月、ユネスコの世界文化遺産に登録されましたが、天皇家にゆかりの深い神社です。

何しろ、宗像神社は、日本書紀に記された説話では、天照大神が孫のニニギの命を下界(日本)に降ろすに先だって、「汝三神(いましみはしらのかみ)、宜しく道中(みちのなか)に降りまして、天孫を助け奉り、天孫に祭(いつ)かれよ」と、3人の女神に孫の道中の安全をはかり、末永く守護することを命じた、その三女神を祀る神社です。

ということは、高天原とは朝鮮半島であり、アマテラスもそこで暮らし、そこで生まれた孫を日本に送ったということになります。
日本書紀では、この話は、「一書にいわく」(また別の文献によれば)として記されており、戦前の皇国史観では「あまり触れたくない話」だったわけで、それほど知られた話ではありません。

それにしても現天皇は、古代からの日朝のいにしえに殊の外、興味をお持ちのようです。
有名な話では、サッカーのワールドカップ日韓共同開催の年、天皇訪韓の話が持ち上がった際の記者会見で「桓武天皇の母君が百済系渡来氏族の高野新笠(たかののにいがさ)であることなど、韓国には深いいにしえを感じています」と述べられたこともあります。

天皇ご夫妻の宗像神社参拝は、朝鮮に在住する歴史好きとして、古代からの日朝関係に興味をもつ私としても、うれしくも楽しい気持ちにさせる出来事でした。