洗濯シーズン

赤木志郎

2月末から3月はじめにかけて春一番が来た。南からの暖かい風が流れ込んでくる。いよいよ本格的な春だ。すでにれんぎょうの芽が出ている。花を咲かせるのを今かと待ちかまえているようだ。

春は衣替えの季節でもある。
朝鮮の季節は春と秋が短く、夏と冬が長い。だから、衣類は夏物と冬物が主で、セーターのような春・秋ものは着るのはわずか数週間だ。

そのうえ、温度の差が激しい。夏は日本と同じく30度以上の真夏日がつづくに比して、冬は零下20度くらいになる。そして冬ものは下着も含め厳冬時期、真冬時期、ただの冬時期の三段階くらいに分けなければならない。だから、天気予報には敏感になる。最低気温がマイナス15度とマイナス5度では全然異なるのに、一日で変わるときがあるからだ。

また、朝鮮では湿気が少ない。だから冬は沁みるような寒さではなく肌を刺すような寒さとなる。乾いているので汗をかかないことが多く、毎日のように衣類を替えなければならないことはない。

面倒なのは、気温に合わせ衣類を替えるため、衣替えが多いことだ。古い衣服は洗濯して片づけなければならない。とくに冬ものは大変だ。洗濯機にかけられないものも多い。そのときは、風呂場で風呂に入りながら洗濯する。分厚いジャンバーを洗濯するとき大量の湯が必要で一仕事だ。

春の衣替え、それは私には洗濯シーズンの到来でもある。