デボルムに思ったこと

魚本公博

3月2日は、デボルムの祝日でした。旧暦一月の最初の満月の日ということで、「大満月」、「大お盆」というような意味です。

旧暦の場合は、新月に始まって15日目は常に満月になるわけですが、日本の場合、旧暦から新暦に変えたとき、旧暦の15日をそのまま新暦の15日に当て嵌めたので、15日に祝う節日が満月とは関係ないものになってしまいました。

8月15日の「お盆」も元来は旧暦の8月15日で、「中秋の名月」の日です。

「成人の日」である1月15日(今は、1月の第2月曜日)も元来は、朝鮮と同じように、旧暦の1月最初の満月の日を「最初の満ちた日」として祝う風習からきたものでしょう。

その制定日は1948年だそうですが、戦後の復活を願う気持ち、それを青年に託す気持ちが感じられ、なかなか良い祝日制定だと思います(今年は、着物レンタル「はれのひ」の件で大変でしたが)。

朝鮮では、こうした節日には、五穀飯というのを食べます。元来は、餅米に粟、ヒエ、キビ、赤米などの五穀が入ったものですが、赤米のせいで赤飯になります(これが本来の赤飯)。今では日本と同じく小豆の赤飯ですが。

私は、中秋の日と同じく里芋を料理し、赤飯を食べながら月見。

今年のデボルムは、昨年末から3月頃まで常よりも月が地球に接近するということで、いつもより明るい見事な満月。それを見ながら思ったのは、1月15日の由来のせいか、故国の青年のこと。青年を取り巻く厳しい状況のあれこれ。それでも前に進むのが青年。「大・満月」は、そういう気持ちにさせてくれました。