デボルム

若林佐喜子

今日3月2日は、ジョンウォル デボルム、陰暦の正月15日。昔からの伝統行事の一つで、旧正月が明けて迎えた最初の満月の日をお祝いします。

日本では小正月に当たるのでしょうか。50余年前の記憶ですが、私の田舎では子供たちが藁の束をもって各家を回ったり、豊作や養蚕祈願のために木の枝に団子をつけた「まゆだま」の市がたったりしていました。

きっと、今はそのようなことはないでしょうね。
朝鮮では、この日、豊作や健康を祈願して、あずきや粟、キビなどの五穀ご飯を食べます。

先月のよど号ライフ「テレビがおもしろい」ではないですが、今日のテレビのニュースでは広場で行われた凧上げや縄跳びなど民族遊技の紹介。特集番組では女性アナウンサーがある家庭を訪ねて、五穀ご飯を一緒に作り家族と食卓を囲む場面やそこにご飯を持って訪ねてくる隣人。お互いの家の料理を交換、分け合って食べる人々の和気あいあいとした雰囲気が伝わってきて興味深かったです。

この間の私の生活は、平昌オリンピックを巡っての南北和解への目まぐるしい動きを注目し、羽生選手の金獲得をはじめ日本選手たちの活躍場面に感動、日本人村に今年初めての訪朝団を迎える日々。私の頭と身体はちょっと疲労気味でした。

夜になりテドンガン(大同江)の向こう岸の空に丸い月がぽっかり、時々、雲に隠れたりしながら凍ったテドンガンに映える月。そんな様子をしばらく眺めていたら、心身ともにリフレッシュ気分に。

そして、田舎道を昼間のような月夜に友人の家に向かう小学生の私の姿、一学年一クラスしかない小さな小学校、なぜか、そんな幼年の頃がなつかしく思い出された夜でした。