冷え切ったサッカー愛国心、なんとか「火をつけて」!

若林盛亮

「ハリルホジッチ監督解任の蛮勇をふるうことこそ唯一の解決策」! 
こんな声が上がるほど、サッカーW杯ロシア大会まであと三ヶ月の今、わが日本代表、ハリル・ジャパンは存亡の危機にある。

先頃行われた国際親善Aマッチ、まさに最終調整という「W杯直前強化試合」となる対マリ戦、対ウクライナ戦、ともに内容がひどかった。試合後の会見で選手から監督批判の声が出るかと思えば、「Je suis japonaise!(私だって日本人なんだ)」と監督が選手たちに荒げる声が記者席に聞こえるなどチーム状況は最悪。

以前から「デユエル(決闘)」「縦への速い攻撃」の二枚看板を叫ぶだけで、この実現のための戦術的深化、工夫、あるいは再検討もない、その上「試合に出ている選手優先」とかでいまだ柱となる選手の固定化もない、チームとして全くの未完成状態で臨むW杯となる。ファンからも指摘され不安視されてきたことが最後の調整段階にあって現実になっただけだ。これまで日本サッカー協会は何か手を打ってきたのだろうか?

この危機的状況に私はいたってクール、焦りも何もない。何も期待していないからだ。いっそW杯では全敗をして日本サッカーを根本から革命した方がよいとさえ思っている。

かつて日本サッカー黎明期、日本初のW杯出場成るか! という寸前のロスタイムに取られた1点のためにW杯を逃した「ドーハの悲劇」に涙し、Jリーグ創設以降、ゴン中山-ジュビロ磐田愛、一筋を貫き、W杯出場を悲願とする日本代表の活躍に一喜一憂した。それがいつからか私のサッカー愛国心は冷え込んだままだ。

私のサッカー愛国心が冷め始めたのは、「ジーコ・ジャパン」以降のこと。「選手の自主性」強調はいいけれど、チームとして作り上げる強い牽引力、戦術的工夫がなく、小野伸二、中田ヒデという「黄金世代」を擁しながら予選凡退に終わったW杯ドイツ大会。あのショックは大きかった。

予選敗退決定の試合終了後、ピッチの芝に横になったままユニフォームで(泣いていたであろう)顔を覆い空を仰いで起きあがれない中田ヒデ、あの映像を見るのがとても辛かった。次の南アW杯、直前まで危機的状態と言われた岡田ジャパンは本番土壇場の大幅改革でベスト16に入る健闘を見せたけれど、次期ザッケローニ・ジャパンのブラジルW杯惨敗ぶりはひどく、続くハリル・ジャパンも上述の極限的最悪状況。

日本サッカー界には負の連鎖を断ち切る大改革、革命が必要だと思う。

欧州リーグで活躍する選手も格段に増え選手層も厚くなったはずだが、世界はもっと発展が速い。JリーグをBS放送で時々見るが、どん欲さ、必死さ、スピード感が伝わってこない、どこか安全圏でプレイしている印象・・・

ドせたがたが 。。外国にが。こういうとJファンに怒られそうだが、これが私の実感。
幸いにもジュビロ磐田は往年の名MF、名波監督の采配下で復活を果たしつつあり、ほのかに心を温めてくれてはいるが・・・。

日本サッカー協会に切にお願いしたい。私の冷え切ったサッカー愛国心に「火をつける」ような革命を起こして! と。

数々の悪口をたたいたと思うが、日本サッカーを愛するからこその苦言だと、お許しを。