小西隆裕
人前で話をする時、原稿を書く時、そこには往々にして、いついつまでという期限がある。いつまでもその内容について考えていていいという訳にはいかない。
以前の私は、期限が来れば仕方ないと探求を止め、適当なところで妥協していた。
そうしたある日、テレビであるドキュメンタリーを観た。画面に出てきたのは、チルドレンの責任者、小林さん。彼は、舞台の幕が上がっても、楽屋裏であくまで納得が行くまで作曲を続け、ついに公演を成功させた。
最後の最後まで、あくまで最善を尽くす。人前で話していても、原稿を書いていても、話しながらでも、書きながらでも、最高の内容を考え続ける。
あのドキュメンタリー以来、私の思考にあくまで諦めない粘りというか底力というか、そういうものがついてきたように思うのは、気のせいだろうか。
小林さん、有り難う。