紅葉(もみじ)とお寺

魚本公博

先日、妙香山に行ってきました。妙香山はピョンヤンから北に高速道路で150キロ、2時間ほどのところにあり、かつて日本からの客人を案内してよく行ったものですが、最近行っておらず久しぶりの妙香山旅行でした。

時は秋。渓谷美の妙香山での紅葉はさぞやと期待したのですが、季節的にまだ早くて残念でした。それでも紅葉になり始めの黄変したカエデが渓谷のあちこちに見られ中々の風情、癒されました。

さて、次に歴史好きの私のお目当ては普賢寺。豊臣秀吉の朝鮮侵略に際し70歳を越える高齢にもかかわらず全国の寺院に激を飛ばし義挙僧軍5000人(多い時には3万)を率いて秀吉の侵略軍と戦った西山大師(ソサン・テサ)の居た寺院。最盛時には21の寺院があったそうですが、朝鮮戦争時、米軍の爆撃で大部分が消失。それを修理再建した大雄殿など数棟が今も残っています。

 酬忠祠 西山法師らが祭られている

講師の解説によると、大師は仏の教えでは「殺生してはならないと言うが」との弟子の質問に侵略軍と戦うことは万民を救うことだと「一殺多生」を説いたそうです。その大師が晩年に住んだという忠義祠。小さな祠ですが、大師の反侵略・自主の霊気のようなものが今も漂っているように感じられ、厳かな気分に浸りました。

紅葉とお寺。心身共に大いにリフレッシュしてきた旅行でした。