復興のために闘う人々

赤木志郎

今年、東北地方に地震と津波、福島原発事故が起こってから、8年目となる。日テレ系統の福島、宮城、岩手の放送局が編集したドキュメント番組「復興ラグ」を見た。

福島では14歳の中学生が神社の祭りに出演して故郷の復興を願い、宮城では90歳のお爺さんが牡蠣養殖をおこないながら「復興の〈種〉を蒔く」ことを自分の使命とし、岩手の45歳の男の人は自転車屋+コーヒーショップを営みながら二人の子供を育てている話だった。

皆、一様にまだ3・11が続いているという。それぞれ住んでいる地区で人口が急減し、わずかに数百人が残っているだけだからだ。岩手、宮城、福島3県の全体の人口は8年で計30万人減少したという。そのなかで3人は故郷をとりもどすために、必死になって頑張っている。

人にとって故郷はかけがえないものだ。その故郷、いいかれば自分の地域の身近な共同体を復興させるために黙々と働く姿を見ると、現政権の対応のひどさに怒りをおぼえる。

おそらく復興はまだまだだ。しかし、故郷を思う市井の平凡な人々がいるかぎり、いつかは必ず復興するだろう。