心の元気

赤木志郎

30年前頃からか、歌謡番組でなぜか私はつんくさんに惹かれていた。シャ乱Qのヴォーカリストとして奇異な服装でエレキを弾きながら歌う姿に、普通なら私は好まないのになぜか気にいっていた。今から思うと、おそらく派手な衣装にもかかわらすその内にはまじめな姿勢が感じられたからだろう。私がご飯を炊くのに土鍋を使うようになったのも、つんくさんが新聞社のインタビューで土鍋でご飯を炊くとふっくらと美味しく炊けると答えていた記事を見たからだ。

そのつんくさんが病気になったというのは随分前から聞いていた。詳しくは知らなかった。今回、ネット情報で、ガンで声帯を摘出していたことを知った。歌手としてもっとも大切な声を失い、しかもガンという病気で、「なんで俺が」と絶望することがあっただそうだ。しかし、家族やファンに支えられて「心の元気」を取り戻し、非常に意欲的に生活し、仕事をしているとのことを、今回、「心の元気」というタイトルのつんくさんのエッセイを読んで初めて知った。写真で見ても、ずいぶんすっきりした男前になった感じ。多くの苦労に打ち勝ったすがすがしさを感じさせる。

つんくさんの苦闘と姿勢にガン患者をはじめ多くの人が励まされただろうと思う。そういう人々がいるのだから、私も70歳を越えたけれど毎日を大切にしていきたいとと思いました。