小西隆裕
先日、ロシア、ウラジオストックで行われた朝露首脳会談は、比較的地味でありながら、大変興味深い会談だったと思う。
共同声明も共同の記者会見もなかったこの会談は、のっけから普通の会談とは違っていた。ドイツ・メルケル首相を4時間など、相手方首脳を待たせるので有名なプーチン大統領が逆に30分待たされる人になった。
2時間に及んだ単独会談と閣僚を交えた1時間の会談で両首脳は、「世界情勢が超大国の法ではなく国際法で決まる状態になるのを求める」で合意したという。
夕食会まで含め、両首脳の親密な話し合いが続いたこの会談の最後は、二人の30秒に及ぶ別れの握手で結束された。
会談後の単独記者会見で金正恩委員長の印象を聞かれたプーチン大統領は、「興味深い人」と表現したという。
会談に先だち、金正恩委員長は、朝露国境に出迎えたロシア側要人に「(今度の会談が)最後ではなく、最初の第一歩になる」と述べていたが、東北アジア新時代と世界情勢の今後の進展にとって、今回の会談は極めて興味深いものとなったのではないだろうか。
若干、「ライフ的」でない内容になったが、これが私のライフだと思って見ていただければ幸いだ。