北海道の酪農、皆で守りたい

魚本公博

朝ドラの「なつぞら」がおもしろいです。私は朝ドラは、あまり見ないのですが。今回の「なつぞら」の主人公「なつ」は戦災孤児。それだけでも応援したくなり、「まっさん」以来の熱心な視聴者になってしまいました。

舞台は十勝岳に抱かれた大酪農地帯。そこで苦闘する開拓民や戦後の内地からの入植者たちの姿。今、ドラマは50年代の頃。そこでは組合作りのことも出てきますが、農村出身の私には、その頃のことなどが思い出され、興味深いものでした。

その苦闘の末に築かれた北海道の酪農が今、壊滅の危機に。自由貿易を進める政府は、自動車などの大企業のために、農業や酪農は切り捨てる方針。

その甘言は「安い農産物が入ってくる」というもの。

しかし、水でもそうですが、国土に根ざした作物であってこそ、日本人に合うのではないでしょうか。多くの「なつ」やおじいさんたちが営々とした苦闘の末に作り出してきた、そういうものを効率第一で切り捨ててはならないと思います。

今日の「なつ」たちが直面する試練。このドラマを通じて、多くの人が「少々のコスト高は引き受け、皆でなつたちを助けよう」というような感情を持つようになれば良いなと思います。そういう思いで、今日もテレビの前に座っています。