鳥のスケッチ

赤木志郎

よど号日本人村は周知のように木々に囲まれている。だから鳥が多い。いろんな鳥を眺めていると、変化があるのに気づく。

一番多いのはカササギだ。朝鮮カラスとも言われ日本では佐賀県にしか生息していないという。カササギが普通のカラスを追い立てているのを見たことがある。だからカラスもいるが少ない。鳥にとって縄張りを維持することが主な仕事かも知れない。

春先のこと、一時、カササギの巣で卵から雛に孵ったのか、騒々しく鳴いていた。2日間くらい鳴き放しだった。おそらく、次ぎに多いカッコウが自分の卵をカササギの巣に産んだのはないかと思う。カッコーという鳴き声がやまない

一時、伝書鳩が多かった。事務所や宿所の屋根裏に巣を作っていた。衛星アンテナに連なって停まっていたこともあった。しかし、数年前、鷹に襲われ、今は数羽しかいない。

また、王冠キツツキも多い。多いときには群れをなして飛び回っていた。姿が王冠をつけたようですぐに判別できる。

昔いたので今は見かけないのは、青い鳥だ。鮮やかな青色で非常に目立った。キジも鮮やかな色で非常に目立つ。動作が遅いので観察しやすい。

ぎょっとするのは、ふくろうだ。人間の顔くらいの大きさなので木に人間がいるのかとびっくりする。小鳥ではシジュウカラが多い。可愛いがすばしこいので、写真に撮りたくてもなかなか撮れない。

渡り鳥では、ツバメのほか、カモ、シラサギがいる。テドン江のうえを悠々と飛ぶシラサギは美しい。

鳥を見ても、自然界がたえまなく変化していることが感じられる。しかし、やはり人間の世界の方がはるか変化が激しいのではないかと思う。1年前の世界と今の世界はまったく異なっている。古い政治が消え去っていき、ちょっと変わった動きがたちまちすう勢になってしまう。だから、発展していくといえる。

鳥の世界にも変化があるが、古く新しい違いはあるかどうか分からない。生きるための生存競争だけかもしれない。鳥が生きる最適な森林や林の造成は人間にかかっている。そういう意味で人間が世界でもっとも重要な役割を果たしていると言える。と、いろいろな考えが消えては浮かぶ。