小西隆裕
最近、朝鮮が食糧難だという報道をよく目にする。
そうした中、先日、「北朝鮮の穀物価格下落」という新聞の報道を見た。
その小さく控え目な記事は、食料危機の朝鮮でなぜこうなるのか疑問を呈しながら、その事実を報じていた。
一方、ピョンヤン市民たちの間で話題になっている言葉に「食料品革命」というのがある。最近、食料品店で国産の加工食料品が圧倒的になったというのだ。実際、街の食料品店の売り場には、どこも国産の加工食品がぐんと増えた。私自身、目を見張っている。
もちろん、昨年、今年の高温、小雨の異常気象が朝鮮の農業に大きく影響しているのは事実だろう。
しかし、灌漑用水路の絶え間ない拡充、「水節約型科学農業」の開発と奨励、等々、朝鮮がそれと国を挙げて闘っているのも事実だと思う。
問われているのは、事実を事実として報道することではないだろうか。
それが、もっとも近い隣国同士、互いに信頼し合うために、極めて重要なことではないかと思う。