制裁が生み出すチュチェ(主体)の「信念」

小西隆裕

今、朝鮮の基本スローガンは「自力更生」だ。

街に出ても「自力更生」、テレビを観ても「自力更生」。

国を挙げての「自力更生」だ。

そうした中、テレビの模範紹介のドキュメントで共感したことがある。

出てくる模範創造の主人公たちが皆異口同音に語る言葉だ。

「自分の力を信じ、自分たちの力でやってみて、どれだけ良かったかしれません。これからもずっとこのやり方でやっていきます」だ。

実際、これまで輸入に頼っていた原油やコークスなどを使わず、原料、燃料の国産化を図るのは簡単でない。

つい二、三日前やっていたのは、コークスを使わず、朝鮮に豊富な石炭を使って鉄鉱石から溶かし出す「チュチェ(主体)鉄」生産の話。

全国の大小製鉄所、製鋼所が競争で取り組んだこの鉄の生産運動のキーワードは、「自力更生」とともに「科学技術」。

企業所毎、職場毎に科学技術を学ぶところから始めて、自分たちの力で次々と革新を起こして行く。

トランプさんの「制裁」は、こうして朝鮮の至る所で、「チュチェ〇〇」とともにチュチェの「信念」をつくり出しているのだ。