やさしい日本語

赤木志郎

災害の時に、避難警告の言葉が在日外国人に理解されず逃げ遅れたゆえ、「高地」なら「高いところ」、「避難」なら「逃げる」など平易な日本語で表現すべきだという。つまり、「高いところへはやく逃げてください」と言えば、誰でも理解できたはずだという。

この問題は、何も外国人だけの問題ではない。漢字を多用してわざと難しくしている場合が少なくない。とくに学術書がそうだ。なかでも医学論文は難しい漢字をきわめて多く使っている。こちらで翻訳を頼まれて少し手伝ったがそのときになぜこんなに難しく言わすのかを痛感した。そうすることで何か「権威」つけているつもりか、何か別の目的があるのか。やさしい日本語を使う問題は、一般の日本人自身の問題だと思う。