本気、本物、山本太郎とれいわ新選組

小西隆裕

今、われわれの食卓で話題の中心は、何と言っても「参院選」、それも山本太郎とれいわ新選組だ。

選挙は、民意のバロメーター。それでどの選挙も、多かれ少なかれ、話題には上る。

しかし今度は、少々いつもと異なる。

原因は、山本太郎と新選組。

彼らの言動が素晴らしい。その彼らへの民意や如何に。

本気、本物。皆が言っていることだが、私もそう思う。

口先だけの政治屋が横行する今日、それが何とも新鮮だ。

まず、何より、政策が凄い。

一言で言って、民意がそのまま反映されている。

消費税廃止、奨学金チャラ、最低賃金1500円、公務員増加、・・・(水道法、カジノ法、等々)「トンデモ法」一括見直し・廃止、そして、これらの財源としての所得税、法人税増税、新規国債の発行、・・・

あの森永拓郎さんが「95点」とダントツ評価したその経済政策は、これまでどの党も言ってくれなかった民意そのものだ。

そして、NHKで企画された各党政見放送、ここで「れいわ」から出されたのが何とも言えない。

「死にたくなる社会から生きていたい社会に転換させる」。

さらに感心したのは、擁立した候補者の顔ぶれ。

重度障害者、難病ALS患者、シングルマザー・非正規労働者、セブンイレブンオーナー、環境保護NGO職員、元東京電力職員、元JPモルガン銀行ディーラー、女装の東京大学教授、そして東京選挙区から出馬する沖縄創価学会壮年部員。

その彼らの演説がまた面白く、聴衆を引きつけている。高いインテリジェンス、そして当事者として庶民目線で説く政策への共感。・・・

この本物感に加えて、その本気度が凄い。

「市民の力でつくったはじめての政党を誕生させたい」。

「この選挙で勝って、年内にあるだろう衆院選で大きく前進して、・・・政権を取りに行く」。

その証拠に、山本太郎は、なけなしの時間を惜しげもなく出して、全国の野党共闘の応援演説に駆け回っている。日本のために。

そのせいだろう。全国の庶民が食費を切りつめたりして送ってくれた寄付金がわずか3ヶ月あまりで3億円を大きく超えたという。

「まるでロックコンサートのような(演説会場の)盛り上がり」。

これまでの選挙でも、こういう現象がなかったわけではない。

しかし、マスメディアの完全無視。

そのためか、それが必ずしも勝利に結びついたわけではなかった。

だが、今回は分からない。

選挙まであと数日。

既成の各政党の心胆を寒からしめていると言われる「れいわステルス票」の行方や如何に。

われわれの食卓もますます盛況だ。